【☆ネット生保について思うこと☆】
こんばんは、じゅんぽです。
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
今回は↓のエントリー末尾で言ったとおり『ネット生保についての考察』を書きたいと思います。
極めて個人的な意見なのでその点ご容赦ください。
それでは参ります。
※生保を念頭においています。
今日に至るまで保険はGNPで売ってきたといわれています。
GNPとはなんでしょうか?ちなみに国民総生産ではありません。
正解は、義理・人情・プレゼントです。
『なんじゃそりゃー!!??』って感じですよね笑
私も初めて聞いたときは同じ気持ちでした。でも同時に『上手いこと言うな~』とも思いました。
そんな販売環境の中、彗星のごとく現れたのがネット生保です。ITの高度発達、普及率を考えるとそれなりに必然的な事象だったと思います。
ネット生保は従来の営業職員中心の保険会社と比べて多くのコストを削減できることから、それを価格に転化することによる経済的な優位性を強みとしています。
保険は基本的には金融商品であるので、価格そのものが大きな意味を持っています。貯蓄性の商品であればなおさらですね。
このことを踏まえると、経済的な要素で優位性を欠いた大手社は存亡の危機という展開になりそうですが、現実にはそうなってはいません。
直感的には商品そのものであるお金の面で有利なので、そのまま置き換わることすらありえると思いますが、なぜそうなっていないのでしょうか?
これは結論から言うと『保険加入における合理性は経済的な要素以外にも勘案する必要があるから』だと思います。
そしてその経済的な要素以外というのは大きく
①保険を必要と感じるハードル
②自分に必要な保険を構築するハードル
の二つがあると思います。
そして経済的な要素以外にもこの二つをクリアしないと、中々保険加入という意思決定にまで結びつかないと考えられます。
まず、そもそもですが、顧客が保険を選ぶための要素にはどのようなものがあるのでしょうか?
生保1の4章の『生命保険の商品開発』(アクチュアリー会の公式教科書です。)では顧客に選ばれるための要素として以下の五つを挙げています。
①商品設計
②価格
③利便性
④会社の信頼度
⑤競合優位性
個人的には③の利便性というところが一つポイントかなと思います。
この利便性というのは契約の事務的面倒さの回避が一般的に想定されると思いますが、個人的には潜在ニーズ→顕在ニーズへの遷移のための起爆剤も含まれていると考えています。
そして先に言ってしまうと、この起爆剤というのが上述の二つのハードルを越えるために必要になるものです。
(ちなみに便宜上少し無理やり利便性に入れている部分はあります。意図するところは上述の起爆剤は顧客に選ばれるために必要だということです。)
保険のニーズはやはりどこまで言っても潜在的なものです。また、その仕組みの複雑さから特に保険に精通していない一般の人にとっては学習コストが高いのです。
デジタルネイティブである我々でもたぶんこの辺りは常にネックになると思います。
またしっかり考えて保険を入ろうとすると『一生涯にわたるライフプランを考え、対処したい・しなければいけないリスクを洗いだし、必要となる保障額を求めそれに対応できる保険ポートフォリオを構築』といったプロセスを経る必要があります。
これってただでさえ仕事で忙しい我々にとってかなりハードルが高いことだと思いませんか?
経済的な側面だけを切り取ればネット生保が優位ですが、可処分時間・心理的ハードルを勘案すると必ずしもネット生保が有利というわけではないというのが私の意見です。
ネット生保は、経済的な合理性という一つの軸だけ見れば大きな優位性を持っていますが、二つのハードルを越えるための十分な起爆剤がないことが想定以上の苦戦につながっているのだと思います。
(こう考えると、やはり保険ビジネスは難しいんですね…。)
このような現実を踏まえると、保険ってある意味押し売るぐらいでちょうどいいのかもしれません。そして私は営業職員の本質はここにあると思っていて、未だに営業職員チャネル中心の大手社が優位性を保っている理由だと思っています。
また一人で必要な保険を考えるのは難しいので、営業職員さんと一緒に考えて一緒に保険ポーとフォリオを構築する。このようなコンサルティングサービスも時間のない我々にとっては経済的な優位性を覆す要因の一つになりうると思います。
よく『AIに代替される仕事』で保険外交員が挙げられますが、はっきりいってとんでもないと思います。
たぶん現環境であれば一番代替されないんじゃないかとすら思います。
『なんとなく入って、なんとなく助かる。』
現環境だけ踏まえると保険ってそうならざるを得ないところがあるのかなと思います。
ただ逆に以上の二点さえクリアすれば戦況はひっくり返せるのかなとも思います。今後の保険の販売は以上の二点を克服できるかが鍵だと個人的に思っています。テクノロジーの力を上手く使えば十分可能だと思います。
他業界同様、保険業界も過渡期に入っていると勝手に思っているのですが、どのような変化していくのか非常に楽しみです。
変わりゆく環境の中、どのような形で自分が貢献していくかを今後も考えていきたいです。